寮の仲間たちは食堂で起きた出来事について、心の中で八つ当たりの炎を燃やし、帰ってから橋本奈奈にしっかり問い詰めようと思っていた。
しかし、計画は変化に追いつかなかった。初日の軍事訓練はかなりハードで、三浦玲子たちも初めてこのような苦労を味わった。寮に戻って気を緩め、シャワーを浴び、服を洗って干した後には、みんなクタクタになって、ソファーに寝そべるように横たわり、完全に疲れ果てた様子だった。
横になってから3分もしないうちに、寮内では大小のいびきや重い呼吸音が聞こえ始めた。
噂話どころか、初めて一緒に暮らすことになった6人のお嬢ちゃんたちは、おしゃべりする余裕もなく、ぐっすりと眠りについてしまった。
翌日、橋本奈奈が起こさなければ、他の5人のお嬢ちゃんたちは起きられなかったかもしれない。
「あぁ、腕が上がらないくらい筋肉痛だわ」
「腰が折れそう」
「足が太くなってそう」
「早く動いて、朝食を食べたら集合よ。遅刻したら、絶対にグラウンド周回を命じられるわ」橋本奈奈は昨日洗って一晩で乾いた迷彩服を着て、急いで出かけた。
今は暑い時期で、洗濯物が一晩で乾くのが幸いだった。そうでなければ、今日の軍事訓練で何を着ればいいのか分からなかっただろう。学校から支給されたのは一着だけだったのだから。
「何を心配してるの?あなたは手塚教官と知り合いでしょう?手塚教官に特別扱いしてもらえばいいじゃない」戸村琴は欠伸をしながら言った。彼女たちの寮には特権があるはずだと。
「ふふふ、本当にそう思う?」橋本奈奈は冷笑した。「手塚教官とは知り合いだけど、昨日聞いたでしょう。あなたたちが思うほど親しくないわ。クラスのみんなが見ている中で、手塚教官が自分のキャリアを台無しにしたくないなら、誰も特別扱いなんてできないわ。早く、私は待たないわよ」
「ねぇ橋本奈奈、待って!」鈴木香織は服を着ながら、橋本奈奈の後を追って走り出した。
昨日はひどく疲れて、鈴木香織も起きられなかった一人だった。橋本奈奈が起こしてくれなければ、まだ寝ていただろう。今の鈴木香織の頭は糊のように固まって、うまく働かない。彼女が唯一知っているのは、橋本奈奈について行けば間違いないということだった。
「橋本奈奈、あなたって冷たい女ね。私たちを置いていくなんて」唐澤夢子は大声で叫びながら、急いで追いかけた。