第251章 紙くず

「や、やめて!」白井照子は大きく驚き、「か弱く」田中勇の後ろに隠れた。「先輩、助けてください。私はただ本当のことを言っただけです」

「助ける?」白洲隆は笑った。「忘れるなよ、彼はお前の先輩だぞ。お前の側にいる犬じゃないんだ。どれだけ長く、どれだけ助けてくれると思ってるんだ」

橋本奈奈に近づこうとするこの男を見て、白洲隆は非常に不愉快に感じていた。

田中勇は眉をひそめた。「何様のつもりだ?」田中勇は今まで誰かにこんな風に面と向かって侮辱されたことはなかった。

「好きにしゃべるさ。文句があるなら勝負してみろよ」白洲隆は田中勇を見つめた。白洲隆には分かっていた。田中勇は軟弱者ではなく、それなりの実力を持っているということを。

しかし田中勇が、その程度の半端な腕前で奈奈さんを騙せると思っているなら、大きな間違いだ。