第250章 習慣を変えた

「その後、彼は重点大学に合格して、私たちの学校の名誉を高めたんです。盛り上がりましたよね?」

唐澤夢子は怒って机を叩いた。「くそっ、白井照子の動きが早すぎるわ。副級長なのに、奈奈みたいに自覚を持って、良い手本を示せないの?私もイケメンを見に行くわ!」

言い終わるや否や、唐澤夢子はバスケットコートに向かって走り出し、残された人々は呆然と見送った。

「この唐澤夢子ったら...」戸村琴は口角を引きつらせながら、唐澤夢子に感心せざるを得なかった。白井照子と比べても、ほんの少しましなだけだと。

「奈奈さん、顔色が悪いようですが?」白洲隆はそういった騒ぎには興味がなく、さっきまで楽しそうだった橋本奈奈の硬い表情を見て心配そうに尋ねた。「具合でも悪いの?」

「ううん」橋本奈奈は首を振り、心の中で考えた。そんなに偶然なはずがない、考えすぎなのだろう。「いいわ、見たい人は見に行って。私はノートを写さないといけないから」

「行かないわ」鈴木香織はきっぱりと言った。「本を読むわ」

「あの...」戸村琴は行きたい気持ちもあったが、さっきの唐澤夢子の走りについていけなかったし、今さら行くのも面目が立たないと感じていた。

河野雲見と三浦玲子はもっとはっきりしていた。高校に入ってから毎日の宿題が多すぎて、先輩を見に行く暇なんてない、宿題をしなきゃ!

賑やかなのが好きな人は行き、静かにできる人は残った。

しばらくすると、高校1年1組の教室は静かになり、時折本をめくる音と、さらさらと書く音だけが聞こえていた。

しかし、すぐにその静けさは騒がしい声で破られた。「先輩、ここが今の1年1組の教室です。先輩が在学していた時と同じ教室ですか?先輩、以前はどの席に座っていたんですか?」もし自分の席が先輩の席と同じだったら、それは最高だと。

白井照子は雀のように、ぺちゃくちゃとうるさく、聞いているだけで頭が痛くなるような話し方だった。

鈴木香織は眉をひそめて外を見ると、白井照子の隣に非常にハンサムな男性が立っており、他の人々はみなこの男性を中心に集まっているようだった。

鈴木香織は納得したように眉を上げた。これが噂の暇を持て余している先輩なのだろう。