もし当時誰かが橋本奈奈にペンを貸さなかったら、奈奈は作文コンテストに参加できず、彼らの中学部は県の作文コンテストで一等賞の賞状を逃すところだった!
「そうですね、おっしゃる通りです。よく考えてみます」田中先生の話を聞いて、戸川先生は説得されなくても、井上雨子を橋本奈奈の寮に移す考えを完全に諦めた。
中学時代、井上雨子は大胆不敵で、作文コンテストの時にそんな策略を橋本奈奈に仕掛けた。高校に入ったら、井上雨子は橋本奈奈に何をしでかすか、手慣れたものになるだろう。
最も重要なのは、今回の井上雨子と白井照子の喧嘩の件で、戸川先生は分かったのだ。井上雨子は中学時代の一件から教訓を得て、過ちを改めるどころか、ますます大胆になっていた。
最悪の場合を考えても、白井照子と井上雨子の対立に、井上雨子には全く責任がないのだろうか?