第240章 とても寛容

「花子、手伝いなさい」野村涼子は斎藤花子の反応を気にせず、自分が決めたことは絶対に変えないつもりだった。そもそもこのお嬢ちゃんは自分の家とは何の関係もないし、嫌いだろうが好きだろうが、何の違いがあるというの?

斎藤花子は口角を引き、裏口を開けて、橋本奈奈を中へ案内した。

斎藤家の裏口が開くのを見て、橋本絵里子は歯を食いしばり、さっき起こったことを完全に忘れたかのように、笑顔を作って割り込んでいった。「奈奈、斎藤家に置いてあるものがきっとたくさんあるでしょう。私が運ぶの手伝うわ」

「ちょっと待って」橋本奈奈は体を横に置いて、橋本絵里子を遮った。「ここは斎藤家よ、橋本家じゃないわ。あなたが入るのは不適切よ。本を運ぶの手伝いたいなら、いいわ。門の外で待っていて。私が運び出したら渡すから、家まで運んでくれればいいの。入る必要はないわ!」