第265章「苦楽を共にする」

「困ったことに、私たちの寮には余分なベッドがないのよ。私は布団をかけずに風邪を引くことは怖くないけど、臭いで窒息死するのが怖いわ！」井上雨子も毒舌で、白井照子の顔を青ざめさせた：「もし白井照子が誠意を持って謝罪していたら、私は気にしなかったわ。でも、彼女があんな冷たい言い方をするから、私は受け入れられないわ。」

白井照子の顔が青ざめ、戸川先生の顔は赤くなった。彼は井上雨子がこんな理由を持ち出すとは思ってもみなかった。しかも、このタイミングで戸川先生は白井照子の足が本当に我慢できないほど臭いのか、水虫があるのかなどを聞くことはできなかった。結局、白井照子はお嬢ちゃんなのだから。

「嘘つき、あなたこそ足が臭いわよ！」白井照子は激怒した。彼女には水虫なんかないし、足が臭かったことなんて一度もない。彼女は個人の衛生には気を使っているのに、井上雨子は明らかにでたらめを言っているのだ！

井上雨子は冷笑した。そう、彼女はでたらめを言っているのだ。でも白井照子に何ができるというのか。できるものなら、職員室で靴を脱いで、戸川先生に足が臭いかどうか確かめてもらえばいい。

「もういい加減にしなさい。どちらにしても、喧嘩は良くないことです。白井照子、あなたは1組の学級委員として、積極的な模範を示すべきです。今の状況を見て、白井照子、あなたは副級長としての責任を果たしていると思いますか？井上雨子があなたと喧嘩したのは確かに間違いですが、井上雨子の以前の言葉も全く間違いではありません。今日は天気がいいから、井上雨子の布団を洗ってあげなさい。井上雨子、あなたは白井照子に謝罪しなさい。それと、二人とも早急に反省文を書きなさい。次にこのようなことがあれば、直接学校に報告して、処分を受けることになりますよ！」

戸川先生は頭が痛くなった。彼らの学校の1組はずっと「オタク組」と呼ばれていた。

オタク組にはオタク組の良さがある。戸川先生は自分の生徒が活発でないことを決して嫌がらなかった。むしろ、白井照子と井上雨子のような活発すぎる生徒に出会うことを恐れていた。

「戸川先生、まだ言いたいことがあります。」反省文を書くように命じられ、中学時代に不良記録のなかった井上雨子の顔が一瞬暗くなったが、これは予想していたことだった。直接処分されなかったのは、まだ運が良かったと言える。