第262話 偽物のはずが本物の変態

高校は確かに難しくなったが、優等生の成績を維持しようとすれば、学校の点数に対する要求は決して下がることはない。だから、高校に入っても、優秀な生徒の科目の成績は90点を下回ることはなく、彼女のような優等生の中の優等生なら、95点が普通の実力なのだ。

橋本奈奈が実力のない人だと分かっていれば、以前からそんなに重要視する必要はなかった。彼女は橋本奈奈を買いかぶっていたのだ。

白井照子は落ち着いて、自分が間違えた問題だけに集中したが、数学の学級委員は落ち着いていられなかった。90点台のグループに橋本奈奈がいないのは小さな意外だったが、80点台のグループが終わっても橋本奈奈が見当たらないのは大きな意外だった!

手元に残った二枚の答案用紙のうち、上の一枚が70点台だった時、学級委員は言葉を失った。