第291章 私を母親として扱わない

伊藤佳代は橋本絵里子に叱られて孫のように大人しくなり、何も言い返せなかった。彼女は反論できなかったが、橋本奈奈に許しを請うことは絶対に承諾しないつもりだった。

「具合が悪いって言ってたけど、どう?」伊藤佳代が黙っているので、橋本絵里子もどうしようもなかった。

「薬は飲んだけど、まだ少し熱があるわ。前の日ほどひどくないけど。」

「まだ熱があるなら、ベッドで休んだら?家に薬はある?お湯を沸かしてくるわ。」

「薬は切れちゃった。」

「じゃあ、お金ちょうだい。買ってくるわ。」

「いいの、そんなに熱くないし、布団をかぶって汗をかけば治るわ。」伊藤佳代はお金を使いたくなくて、薬を買うことを拒んだ。

橋本絵里子も買いに行きたくなくて、すぐに同意した。「じゃあいいわ。ベッドで寝てて。もう遅いし、お金ちょうだい、お弁当二つ買ってくるわ。」