第278章 頭がおかしい

「お父さんのことは、もういいわ」と橋本奈奈は疲れた様子で言った。

今の父は確かに彼女に対してとても良くしてくれていて、多くのことを彼女のためにしてくれている。でも、これからのことは誰にもわからない。

「どうして？橋本おじさんは本当に変わるの？なぜ？奈奈さんは橋本絵里子よりずっと優秀で、何もかも上なのに、どうしてお母さんと橋本おじさんは、橋本絵里子ばかり贔屓するの？不公平だし、理不尽だわ。目も心も見えていないのね！」これは本当に頭がおかしい！

「お父さんは息子が欲しかったのに、二人とも女の子だったの。橋本絵里子は長女だから、お父さんは家に残して婿を取り、乔姓を継ぐ子供を産ませたいの。言い換えれば、私は嫁に行く方。嫁に行った娘は流した水と同じって言うでしょう。だから違うのは当然よ。実は時々、橋本絵里子をお父さんとお母さんの息子だと想像すると、いろんなことが理解しやすくなって、心も少し楽になるの」