第283章 誰が裏で助けたのか

「あなたがタイムリーにこの資料を届けてくれなかったら、私が橋本奈奈を守りたいと思っても、校長は絶対に同意しなかったでしょう。だから今回の件が解決できたのは、奈奈はあなたにしっかりと感謝すべきですね」

校長から任された任務を無事に完了し、戸川先生は学校に戻ってから、最初にしたことは資料を届けてくれた人に電話をかけることだった。

「え?この件を橋本奈奈に話さないでほしい...ああ、奈奈の気が散るのを心配しているんですね。大丈夫です、奈奈の勉強に影響はないはずです...ああ、わかりました。確かに奈奈の勉強が一番大切ですからね。はい、承知しました。とにかく、奈奈に代わってお礼を申し上げます。いいえ、担任として当然のことです。はい、そうですね。では、これで失礼します」

電話を切ってから、戸川先生は胸をなでおろし、大きくため息をついた。

電話の向こうの人と話すのは、校長と話すよりもさらに慎重にならざるを得ず、言葉を間違えて相手の機嫌を損ねないように細心の注意を払わなければならなかった。

しかし戸川先生は今でも理解できないことがあった。なぜこのような人物が突然連絡してきて、しかもこんなにタイムリーに役立つ資料を届けてくれて、大きな助けとなったのだろうか?

この資料がなければ、たとえ橋本奈奈の潔白を信じていても、彼女を守り抜く絶対的な自信はなかったはずだ。

野村のような優秀な生徒を失うことは、彼の教師人生における大きな後悔となっただろう。

しかし、どうあれ結果は良かった。

最も重要なのは、今回の件で生徒を守れただけでなく、これまで望むことすらできなかった、複雑な関係を持つ有力な親戚とのつながりができたことだ。

3年後、橋本奈奈が再び県の一位になり、この親戚関係も加わることを考えると、彼の将来は本当に無限に明るい。戸川先生は一気にやる気に満ち溢れ、元気いっぱいになった!

「団長?」手塚勇はドアをノックして、斎藤昇のオフィスに入った。「これが今回の任務の地形図です。団長、さっきは誰と電話してたんですか?」軍務とは関係ない話に聞こえましたが。

「なんでもない、家族の親戚だよ」斎藤昇は地形図を受け取り、注意深く分析し始めた。「この地形図、見たか?」