第331章 斎藤昇は大バカ

おそらく一年もかからず、半年、あるいは一ヶ月で、斎藤お兄さんが本当に好きな人に出会って、私に対する気持ちは親戚や妹への思いやりと愛情だけだったと気づくかもしれない。

斎藤お兄さんは私にたくさん助けてくれた。もし斎藤お兄さんが本当の幸せを見つけたなら、私は手放す覚悟はある。斎藤お兄さんが本当に好きな人と一緒になれることを願っている。

でも私も人間だから、感情があって傷つく。手放すことはできても、笑顔で送り出せるかどうかは分からない。

斎藤昇は橋本奈奈と同じ表情で、眉をひそめた:「奈奈、君は私を全く信用していないようだね。私の言葉を疑い続けている。あるいは、君が言う『適していない』というのは、実は君に好きな人がいて、その人が私ではないということなのか?奈奈、人は正直であるべきだし、約束したことは守らなければならない。君は手紙で私に何と約束したんだ?絶対に早恋はしない、学生の時は恋愛しないと。奈奈、私は君にとても失望したよ。」

「……」橋本奈奈はお腹を抱えて、肝臓が痛いとジェスチャーした:「斎藤お兄さん、あなたは冗談を言っているの?それとも本気なの?私に恋愛するなって言っておいて、今度は告白して、結婚届を出すって。私が承諾したら、約束を破って早恋することになるじゃない?」

「第一に、私が言ったのは他人のことだ。第二に、私は君に恋愛しろとは言っていない、婚約しようと言っているんだ。」

「……」斎藤昇の言葉を聞いて、橋本奈奈はその理屈に反論できなくなりそうだった。

「さて、先ほどの二つの『適していない』は解決した。他に『適していない』理由はあるのかい?」