第332章 紳士な斎藤昇

橋本奈奈の住んでいる小さな家は大きな屋敷から遠く離れていて、慌てふためいた斎藤昇は橋本奈奈を抱えて小さな家まで送り届けた後、走って大きな屋敷に戻り、斎藤花子に助けを求めた。

斎藤花子に言われなければ、斎藤昇は斎藤花子を引っ張って一緒に小さな家まで走って戻るところだった。

これは部隊での訓練じゃないのに、なぜ長距離走?!

「……」橋本奈奈は顔を赤らめながら、急いで身の回りの問題を解決した。やはり、下着についていた生理用ナプキンは染みていた。

パンツと生理用ナプキンを斎藤さんが替えてくれたことを思い出すと、橋本奈奈はまた穴があったら入りたい気持ちになった。こんなことは、母親でさえしてくれたことがなかった。

「斎藤さん、ありがとうございました。もう大丈夫です。お正月なのに、申し訳ありません。それと、斎藤お兄さんに伝えてください。私は大丈夫だから、心配かけてごめんなさいって。」生理用ナプキンを替えた後、橋本奈奈はずっと楽になった。