第339章 人の息子を誘拐した報い(加筆)

彼女は斎藤昇が斎藤輝彦と同じ道を歩んで一生苦しむことは望んでいなかったが、岡本茜以外にも、息子に良い娘を紹介することはできるはずだった。

息子はあれほど優秀なのだから、岡本茜が結婚を急ぐのなら、それは岡本茜の損失だ。彼女は断言できる。息子が結婚したいと思えば、世の中には喜んで嫁ぐ良い娘がたくさんいる。何を焦る必要があるのか?

岡本茜が人気があるなら、息子だって引く手数多ではないか?

そう考えが整理できると、野村涼子は気持ちよく背もたれに寄りかかった。「お腹が空いたわ。何か食べるものある?早く出してちょうだい」

橋本奈奈は首を上に向け、手で首を支えながら、ますます憂鬱になっていった。

この野村おばさんは一体何なのだろう。心理カウンセラーのように質問を山ほどした後で、報酬も払わず、今度は食事の世話までさせようとしている。これは野村おばさんの息子を誘惑した報いなのだろうか?