第350章 あなたは誰

「姉さんはお母さんと一緒に来たわけじゃないと思う」お正月、父親は彼女のために橋本の中庭を離れ、母親は心の中できっと怒っているはずだ。古来より、若い者が年長者に年始の挨拶をするものであって、年長者が若い者に年始の挨拶をするなんて聞いたことがない。

「見に行ってみよう」橋本絵里子が他の人と一緒に来たと聞いて、橋本東祐は眉をしかめた。

橋本奈奈が橋本絵里子のためにドアを開けたが、橋本絵里子の隣に立っている二人の男を見た時、完全に表情が曇った。

「奈奈、どうしたの?私たちを中に入れてくれないの?」橋本奈奈の表情が曇ると、橋本絵里子は笑顔を保つのが難しくなった。

橋本奈奈は深く息を吸い、橋本絵里子に笑いかけ、目に嘲りの色が浮かんだ。「お父さん、姉さんが二人の『友達』を連れて会いに来たわ!」