第373章 借用書で離婚

「まず、テレビと電話の半分の金額を私に渡してください。約束通り、橋本の中庭は私と絵里子のものです。お金を渡してくれたら、明日、民政局の前で待ち合わせて、離婚しましょう。これでいいでしょう?あなたは私が男を探すのを邪魔しない?むしろ、私があなたが女を探すのを邪魔すべきではないんでしょうね」

そのテレビはかなりの値段だったのに、橋本さんが離婚で脅かすなんて考えられない。

伊藤佳代が初めて離婚に同意したことに、橋本東祐は喜ぶべきか怒るべきか分からなかった。

最後に、橋本東祐は深く息を吸って言った。「お金が欲しいなら、いいだろう。前も言ったように、離婚したら渡す。離婚しないなら、一銭も渡さない」

これだけ長く夫婦をしてきて、本当に自分をバカだと思っているのか?

「だめよ、先にお金を見せて。今日お金を渡して、明日私が民政局に行くわ」