布団の下で、体が密着していた。
彼は風呂上がりで、体が熱く、近すぎて、その灼けるような熱さに耐えられなかった。
鐘见寧は無意識に「うん」と声を漏らした。
猫の爪が心を引っ掻くような柔らかさだった。
それなのに、もっと近づいて……
湧き上がる粘つくような情熱に、喉が乾いて痒くなった。
「寧ちゃん——」彼は低く穏やかな声で、抑えきれない衝動を滲ませながら呼んだ。
彼は深く息を吸い、彼女の腰に置いていた手を離し、少し距離を取ろうとした。しかし鐘见寧はようやく見つけた暖かく心地よい場所から離れたくなく、眉をしかめながら、彼の胸元に潜り込んできた。
彼女の唇は血の気が失せて、薄いピンク色で、見ていると……
キスしたくなるような。
彼の胸の中で軽く擦れ、
まるで愛撫するように。
「寧ちゃん、俺は機会をあげたんだ」彼は喉を詰まらせながら、「君が自分から近づいてきたんだよ」
彼は手を伸ばし、鐘见寧を再び抱きしめた……
最後の言葉は、二人の唇の間に溶けていった。
この瞬間、
理性は崩壊し、跡形もなく消え去った!
今、体のすべての感覚が一点に集中しているようだった。
賀川礼は呼吸が重くなるばかりで、
彼女の腰を抱く手に、制御できないほどの力が入った。
鐘见寧は痛みを感じ、夢の中で小さく抗議の声を上げた。
賀川大爺様の教育理念は比較的伝統的で古風だったため、賀川礼は幼い頃から礼儀正しく、君子たるべしと教えられ、会社を経営するようになってからは、責任も重くなり、より一層我が儘は許されなくなった。
礼儀正しく真面目な人ほど、一度仮面を剥がすと、雨の夜に狼と化し、牙を剥き出すものだ。
だから、ただ触れるだけ、キスするだけでも、
彼にとっては毒を飲んで渇きを癒すようなもので、ただ更なる渇望を生むだけだった。
特に二人の体が密着している今、立秋とはいえ暑さが続いているため、彼女の寝間着は薄手で……
彼女の体は、
温かく、とろけるように柔らかかった!
心の中で何かの束縛が突然解かれ、野獣が解き放たれたかのように……
彼は急に体を翻し、鐘见寧を下敷きにした。
突然、
「ブーブー」という振動音とともに、ベッドサイドに置いた携帯の画面が明るくなった。