080 運命に子なし、人を殺し心を滅ぼす(4更)

山田惠安は嘲笑い、鐘見寧を睨みつけた。

「あなたは本当に手が回るわね。こんなにたくさんの人があなたを守ってくれて!」

梁井佳音は微笑んで言った。「私が彼女を守るのには理由があります。それをあなたに説明する必要はありません」

「むしろあなたこそ、息子さえもあなたを守ってくれない。母親として、あなたは適任なのかどうか、反省すべきではないでしょうか。責任を他人に押し付けて、八つ当たりするのではなく」

「鐘見奥様のような振る舞いは、品位に欠けますね」

山田惠安は指を握りしめ、怒りで体が硬直した。「賀川家の人々は手強いと聞いていましたが、今日はその実力を見せつけられましたわ」

「あなたたちは手強いんじゃない、悪魔に魂を奪われているのよ!」

「まさか、本当に彼女のことが好きなの?賀川礼が彼女と結婚するのを許すつもり?あなたたちが彼女を認めるはずがないでしょう?」

賀川博堂は「鐘見奥様は私たちに物事の進め方を教えているのですか?」と言った。

「そんな大それたことは!」

実の息子に裏切られ、山田惠安はすでに理性を失っていた。「今日私たちが来たのは、あなたたちのためよ。彼女を養子にしたせいで、私たちの家はこんな目に遭っているのよ」

「娘の名誉は傷つけられ、息子は彼女に魂を奪われた」

「彼女は災いの元よ。賀川礼の側にいれば、いずれ彼を破滅させるわ!」

彼女の言葉が終わるや否や、冷たい声が門外から聞こえてきた。

「そうですか?」賀川礼がドアを開けて入ってきた。その目は冷たく厳しかった。

その場にいる全員を軽く見渡し、最後に鐘見寧に視線を止めた。彼女が無事なのを確認してから、山田惠安を見た。

「私が害されないように、あなたたち家族総出で彼女に泥を塗りに来たんですか?」

「鐘見月の名誉が傷つけられたのは、当然の報いです!」

「あなた...」鐘見月は反論しようとした。

しかし賀川礼と目が合うと、その鋭い眼差しに怯え、歯を食いしばって我慢するしかなかった。

「あなたの息子がこうなった理由について、私が言えるのは、彼があなたたちに毒されなかったのは、鐘見家の先祖の加護があったからでしょう」

「そうでなければ、鐘見家は完全に根腐れしていたでしょうね」

賀川礼の言葉は毒々しかった。

鐘見夫婦は怒りで体を震わせた。