079 逆子が現れ、彼女に自由を（3）

鐘見家の者は呆然となり、賀川博堂夫婦までも数秒間凍りついた。

賀川野は兄に状況を報告しようと、メッセージを打っていた：【鐘見家のこいつ、ろくでなしに見えます。嫂さんを中傷しようとしているでしょう。】

【兄さん、こいつ、陰気臭いです。】

【鐘見家には良い奴は一人もいませんね。】

……

メッセージを送信し終わったところで、鐘見曜がこんな展開を見せた。

彼は急いで最後のメッセージを取り消した：

【鐘見家にも、良い奴が一人いるみたいです！】

鐘見曜は確かに健康そうには見えず、どこか病的な執着を感じさせた。

しかし、鐘見寧を見る時、彼の口元は微かに上がり、目は光を放つほど輝いていた。

「私の心の中で、姉さんはずっと最高の存在でした。私を世話してくれ、気遣ってくれ、細やかな心配りをしてくれました。」

「私たちはずっと一緒に暮らしてきて、私が不適切な感情を抱いてしまったんです。」鐘見曜は低く笑った。

「何が不適切だ？彼女は本当の姉じゃないんだ。好きになって何が悪い！」

言葉が終わるや否や、鐘見肇が突然前に出て、手を振り上げて平手打ちを食らわせた！

「鐘見曜！この不肖の子め！」

「何を馬鹿なことを言っている。彼女は一体お前にどんな魅惑薬を飲ませたんだ、こんなことを言わせるなんて！」

「さっき出かける時、お前は私に何を約束した。」

鐘見曜は顔を蒼白にし、平手打ちで頬が異常に赤くなっていたが、ただ笑うだけだった。「あの頃は幼くて、ただ自分の気持ちを表現したかっただけで、姉さんを傷つけることになるとは思いもしませんでした。」

「あなたたちは彼女のことを恥知らずだと言い、妖狐だと罵った。私は臆病で、彼女を守る言葉すら言えず、あなたたちが彼女を傷つけることを恐れていました……」

鐘見曜は俯いて苦笑した。「あの時、姉さんは私を守ってくれたのに、私は臆病すぎました！」

「あなたたちは、私が大人しく留学すれば彼女を困らせないと言いました。」

「彼女が足を怪我した時、あなたたちが心配して世話をしてくれたので、すべてが過ぎ去ったと思いました。」

「私が甘かったんです。」

「この件について、あなたたちはずっと気にかけていて、さらにこの件を利用して彼女を中傷し、賀川さんに嫌われ、見捨てられるようにしようとしている。私は自分の臆病さの代償を既に払いました。」