103 年寄りなのに、少しは恥を知れ

鐘见寧は深いため息をつき、呼吸を整えようと努めた。木村海は彼女の様子がおかしいことに気づき、練習のしすぎで足が痛いのだと思い、「顔色が悪いですが、体調でも悪いんですか?」と尋ねた。

「大丈夫よ」

「でも……」

「買った薬材を取りに行ってきてくれない?もう準備できているはずだから」彼女は感情を抑えながら言った。

木村海は躊躇したが、鐘见寧が強く主張したため、仕方なく立ち去った。その際、必ずここで待っているようにと念を押した。

賀川野から聞いた話では、賀川礼の周りには特に女性はいないとのことだった。

彼は名家の出身で、この年齢で高い地位にいる……

誘惑に遭わなかったはずがない。

二三人の女友達がいても不思議ではない。

だから鐘見曜が賀川礼は彼女のことを好きだと言っても、彼女は聞く勇気がなかった。最後に自分で恥をかくのが怖かったから。