186 私と一緒にいても、身分は与えない(2更)

江口晗奈は眉間を揉みながら、昨夜、確かに彼女の同意なしにキスをしたのは自分なのに、

今では、彼女に責任を取らせようとしている。

なぜ事態がこんな風に発展してしまったのだろう?

食卓に並べられた朝食を見ながら、すでに世話を受けて毛づくろいをしているファンタを横目で見て、言い表せない感情が湧き上がった。

実は、

子犬を飼うのも悪くないかもしれない。

朝食を食べながら、彼女は目の前の人を真剣に見つめて尋ねた。「お名前は?」

「樱庭司真です。」

江口晗奈はお粥を飲みながら、心の中で呟いた。名前はなかなか良い響きだ。「私と一緒にいたいの?」

「はい。」

「私は、一生結婚しないかもしれないわ。」

樱庭司真は頷いた。「分かっています。」

江口晗奈は目の前のお粥をかき混ぜながら、「あなたが現れたタイミングが微妙なのよ。今の私は誰かの存在が必要で、あなたは良い人だと思うし、ちょうど私に高い感情価値を提供してくれそう。」