225 帰京の準備、親戚との対面(2)

賀川礼と盛山庭川は海風に吹かれながら酒を飲み、とても気持ちよさそうだった。その時、盛山若社長はデザインに関する電話を受けた。

「こんな遅くまで仕事があるの?」賀川礼は表情を変えずに尋ねた。

「海外のクライアントだから」

「会社ではデザイン関係の仕事だけを担当しているの?」

盛山若社長は頷いた。「その他の事業拡大や市場運営は今のところ叔母が担当していて、購買業務は叔父が管理している」

「叔父?」

「ええ、母には弟がいて、元々この部門は父が管理していたんだけど、妹が事故に遭ってから、妹を探すことと母の世話で精一杯で、ほとんど会社の仕事には関わっていない」

盛山庭川は深く息を吸って、「祖父母は年を取っていて、祖母は目が悪くて、中秋節の後に海外で手術を受けることになって、今は国内にいない」