「お邪魔じゃないかしら?」老婦人は笑みを浮かべながら、とても丁寧に言った。「あなたに線香を注文したいのですが」
「はい、電話では詳しく説明できないので、お会いして詳しくお話しましょう」
鐘见寧が電話を切ると、盛山庭川はどこのおばあさんかと尋ねた。
「病院で偶然出会った方で、線香を注文したいそうです」
「スマートフォンやパソコンの使い方があまり分からないみたいで、直接会うことになりました」
「偶然?」庭川は眉を上げた。「最近は詐欺師が多いから気をつけて。特に高齢者を装った詐欺グループは要注意だ。お年寄りだと警戒心が緩むからな」
「詐欺師には見えませんでしたけど」
「詐欺師なんて顔に書いてないだろう?用心に越したことはない。一人で会うのは避けろ」やっと見つけた妹だから、庭川は特に大切にしていた。