284 盛山若社長:老人詐欺グループかもしれない

「お邪魔じゃないかしら?」老婦人は笑みを浮かべながら、とても丁寧に言った。「あなたに線香を注文したいのですが」

「はい、電話では詳しく説明できないので、お会いして詳しくお話しましょう」

鐘见寧が電話を切ると、盛山庭川はどこのおばあさんかと尋ねた。

「病院で偶然出会った方で、線香を注文したいそうです」

「スマートフォンやパソコンの使い方があまり分からないみたいで、直接会うことになりました」

「偶然?」庭川は眉を上げた。「最近は詐欺師が多いから気をつけて。特に高齢者を装った詐欺グループは要注意だ。お年寄りだと警戒心が緩むからな」

「詐欺師には見えませんでしたけど」

「詐欺師なんて顔に書いてないだろう?用心に越したことはない。一人で会うのは避けろ」やっと見つけた妹だから、庭川は特に大切にしていた。

以前誘拐されたこともあり、庭川は慎重になっていた。

鐘见寧は頷いて応じた。

「適当な返事はするな!」庭川は念を押した。

「分かってますよ〜」

「その態度じゃ全然分かってないな」

「じゃあ、会うときにお兄さんも一緒に来てください」

「いつ会う約束なんだ?」

「明日の午後です」

「じゃあ、俺も付き添おう」

「……」

鐘见寧は呆気にとられた。

兄とただの冗談のつもりだったのに、本当に行くつもりらしい。「会社は忙しくないんですか?」

「両親が戻ってきたし、最近はほとんどの顧客が母にジュエリーを注文しているから、少し暇なんだ」重要なのは面倒な叔父が帰ったことで、庭川は家の空気が以前より清々しく感じられた。

「おじいちゃんとおばあちゃんが戻ってくるのに、お屋敷の片付けは必要ないんですか?」リフォーム中だったので。

「伯母さん一家がいるから、そんなことは私が心配することじゃない」

鐘见寧は頷いて応じた。

兄と食事を終えると、江口晗奈から電話があり、夜に自宅に招待された。賀川礼と一緒に行き、果物とデザートを買って和楽園に着くと、賀川宪一、秋月策人、そして江口晗奈の友人数人がいることに気付いた。

賀川宪一が台所で手伝っている以外は、みんなトランプをしていた。

「みんな続けて、お義姉さんが来たから」今日はプライベートな集まりで、秋月策人はカジュアルな服装だった。

ただし……

花柄シャツにスーツ?