賀川礼が迎えに来る予定で、旧邸から来る時間までちょうど一人のお客様を接待する時間があったので、鐘见寧は店のドアに営業終了の札を掛けた。
「申し訳ありません、お待たせしました。今の電話は家族からでした。」
「この時間なら、家に帰って食事をすべきですね。」
「私はもう食べました。」少し世間話をした後、鐘见寧は本題に入った。「何をお作りになりたいですか?当店では…」
ついでに店内のパンフレットを渡した。
「異臭を消すための線香を注文したいのですが。」
「消臭用ですか?」
「空気を浄化できて、材料が天然で、お年寄りやお子様、妊婦さん、ペットにも優しいものが良いのですが。」相手は要望を述べた。
鐘见寧は頷いて、「原料にはソウジュツ、カッコウ、ビャクシを使って…」
「実は、そういった香料が店にあるんです。」