324 大胆不敵:寝たら逃げようとするの?(2更)

菅野望月は完全に呆然としていた。

彼女が必要?

「つまり……」

「あの時のことだ、責任を取ってもらわないと」

菅野望月は黙り込んだ。

自分が彼に借りがあるのだから仕方ない。

「家族を納得させるため、誰か必要なんだ」賀川洵は説明した。

「他にも選択肢はあるでしょう」

私じゃなくてもいいはず。

「周りの女性は、ほとんど家族が知っている」彼の周りには女性が少なく、親戚以外は事務所のスタッフくらいで、ほとんどが既婚者だった。

「私が適任だと?」

「家族は君を知らないし、それに君は度胸がある」

「……」

菅野望月は歯を食いしばった。「先輩に見つかったらどうするの?」

「家族には秘密にさせる」

彼女にはこんな約束は怖くて受け入れられなかった。それに、彼女は元々賀川洵に弱かった。もしこのまま深みにはまってしまったら、きっと抜け出せなくなる。結局、賀川洵は自分に対して……