366 敵陣に潜入して、自分を売り込んでしまった

賀川洵は気になることが多かった。

「以前、業界であなたが妻を追いかけて火葬場だったという噂がありましたが、その人は本当に月ちゃんですか?」

賀川洵は頷いた。

「私の観察では、あなたたち二人の間には火葬場と呼ばれるような出来事は起きていないはずですが、なぜ外部ではそのように噂されているのでしょうか?」通常、一方が相手に冷たい態度を取り、後で後悔して必死に機嫌を取ろうとする時にこの言葉が使われる。

しかし、二人の状況は少し違うようだ。

賀川洵は低く笑って:「私にもよく分かりません」

盛山庭川は息を吐いて、「おそらく、あなたが業界での評判が悪すぎるから、みんな当然のようにあなたに非があると思っているんでしょう」

「……」

この言葉に賀川洵は反論できなかった。

盛山庭川は菅野望月の先輩に過ぎず、彼女が賀川洵との関係を隠していたことに不満はあったものの、結局厳しい言葉は言わなかった。ただ、心の中にもやもやが残り、胸に何かが詰まっているような感じがした。