382 インテリの本性が露わに、中途半端(2)

その時、菅野望月はお湯を沸かそうとしていた。賀川洵が喉が渇いていると言ったからだ。

ミネラルウォーターを開けて電気ケトルに注ぎ始めたところ、背後でごそごそと音がした。振り向くと、賀川洵がベッドに両手をついて起き上がっているのが見えた。

彼の顔は酒気を帯びて赤くなっており、手でネクタイを引っ張っていた……

おそらく酔いが回りすぎて、うまく外せないようだった。

むしろ、引っ張れば引っ張るほど締まっていくようだった。

眉をひそめ、いらだちながら、突然シャツを乱暴に引っ張った。ボタンが弾け飛び、シャツは半開きになったが、首には紺色のネクタイがまだ掛かっていた……

白い筋肉が少し露わになり、その輪郭がはっきりと見えた。

賀川洵はベッドの端を掴んで立ち上がったが、体がふらつき、二歩歩いただけでよろめいて、今にも倒れそうになった。

「気をつけて」菅野望月は急いで前に出て、彼の体を支えようとした。

しかし、彼女は賀川洵の体重を甘く見ていた……

彼の体重が全てかかってきて、

彼女には支えきれず、

体がぐらつき、後ろに二歩下がって、なんとか踏みとどまった。

賀川洵は手を伸ばし、彼女の腰を抱き寄せた。腕に少し力を入れただけで、菅野望月は軽々と彼の腕の中に引き寄せられた。

「賀川先生……」菅野望月は眉をひそめて抵抗した。近すぎたから。

彼のベルトの金属バックルが自分の下腹部に当たっているのがはっきりと分かった。

冷たかった。

その感触に背筋が震えた。

一方で、彼の体温は頭がクラクラするほど熱かった。

「動かないで、少し抱かせて」賀川洵の腕の筋が浮き出て、彼女を軽々と抱きしめた。

首を曲げ、頭を下げ、

顎を彼女の首筋に乗せ、最初は彼女の涼しい肌に触れて心の中の昂ぶりを和らげようとしただけだったが、我慢できずに首筋にキスをした。

彼女の首の肌は……

柔らかく、繊細で、

彼の吐息で熱くなり、薄紅色に染まった。

「月ちゃん」彼は息を荒げながら、彼女の耳を軽く噛んだ。「手伝って」

手伝う?

何を?

大人の男女なら、この状況でそんな言葉を使えば、誤解を招きかねない。

菅野望月は彼の仕草に呼吸が荒くなり、賀川洵は少し体を起こしてネクタイを引っ張った。そこで彼女はやっと理解し、手を伸ばしてネクタイを解いてあげた。