381 盛山若社長が助けに?手を汚すのも厭わない

盛山文音は花束が別の女の子の腕の中に落ちるのを見て、やっと彼女に気づいた。

前に盛世で会った女の子じゃないか?

どうして従姉妹と同じ席に座っているの?

それに……

会場の雰囲気がどこか変だった。本来なら花束を渡した後、盛山文音は祝福の言葉を贈り、花束を受け取った人が早く良い人に巡り会えますように、この幸せが続きますようにと願うはずだった。

司会者がマイクを差し出したところで、賀川礼は彼女の手を取り、司会者に儀式の終了を示した。

盛山文音は困惑したものの、何も言わずに彼に手を引かれて控室へ向かい、お色直しの準備をした。

「昨夜、ホテルで少しトラブルがあってね」と賀川礼は言った。

「従姉妹から少し聞きました」

「さっき花束を受け取ったのが松本長女様だよ」

盛山文音はハッとした: