第380話 結婚式:これからもよろしくお願いします(3/3)

デザイナーとしての彼女の美的センスから見ると、

この娘は顔立ちが整っていて、プロポーションも非常に良かった。

月白のニットワンピースを着て、腕にダウンコートとマフラーを掛け、細い腰がくびれていた。彼女の目は赤く腫れているようで、化粧で隠そうとしていたが、目の下の充血は隠しきれず、ナチュラルメイクが染み出て、よく見ると……

どこもかしこも優美で繊細だった。

ただ、美しすぎて生気がなく、陶器の人形のようだった。

両親の後ろについて、賀川博堂夫妻に挨拶をする時、その柔らかすぎる顔は、笑顔さえも淡く、攻撃性は全くないのに、驚くほど美しかった。

彼女と比べると、隣にいる松本次女様は派手なメイクをしていた。

とても傲慢な様子!

「本当に恥知らず。姉の婚約者を奪っておいて、まだ偉そうにしている。よく顔出せるわね」周りの人々は陰口を叩いていた。

「松本長女様が可哀想」

「強がっているだけでしょう。目が赤いのを見ると、家でさんざん泣いたんでしょうね」

「この松本次女様よくここに来れたわね」

……

背中を指さされても、ある人は気にしていなかった。

耳障りな話かもしれないが、ここにいる令夫人たちだって、のし上がるために手段を使わなかった人なんていない。

この界隈で生き残るには、厚かましさが必要!

金子家に嫁げて、金子家若奥様になれれば、誰も過程なんて気にしない!

愛されない人こそ、第三者なのよ!

彼女は冷ややかに自分の姉を一瞥し、仲間たちの方へ向かって話しかけた。

ただ、この松本長女様は知り合いが少ないようで、松本夫婦が知人と話しに行ってしまったため、その場に立ち尽くし、どこに座ればいいのか分からず、少し緊張して気まずそうだった。

江口晗奈は正義感の強い人で、父親の影響で不倫を特に憎んでいたため、少し離れた所に座っている賀川野を見て、指で合図した。

その子犬のような彼はすぐに駆け寄ってきた。「姉さん、何かご用?」

「松本長女様をお招きして、お茶でもどう?と伝えて」

「松本家の……」

賀川野は実行力が強く、すぐに彼女を連れてきた。元々面識がないため、対面は少し気まずく、ぎこちなかった。

「緊張しないで」江口晗奈は微笑んで言った。「今夜はここに座ってください」

「これは……」