盛山庭川は洗面を済ませ、リビングに入ると、叔父がシロハヤブサと戯れているのが目に入った。昨夜の誰かが青ざめた顔をしていたのを思い出し、思わず笑みがこぼれた。
彼女が妹とボーイフレンドを仕掛けた時は、大胆な性格に見えたのに。
まさか、こんなものを怖がるとは。
「叔父さん、いつ引っ越すつもりですか?」盛山庭川はお粥を飲みながら尋ねた。
湯川俊夫は横目で彼を見て、「私が作ったお粥を食べながら、私を追い出そうというのか?」
「そういう意味ではありません。ただ、私のマンションは鳥を飼うのに適していないと思って」
「安心しろ。年明け前には引っ越すよ」
鳥を飼うなら庭付きの家が必要だし、それに甥が本当に恋愛関係になるなら、自分がここにいては邪魔になる。彼の人生の大事な時期を邪魔するわけにはいかない。