393 出会いの頻度が高すぎる、この娘は怪しい

盛山文音は横目で兄を見やった。

本当に困ったものだ!

実は、この婚約パーティーに兄を誘う必要はなかったのだが、母が彼女と話し合い、賀川家の行事があれば兄を誘うようにと頼まれていたのだ。

盛山庭川はデザイン専攻出身で、会社の運営管理の他にもデザインを手掛けているため、ほとんどの時間を仕事に費やしていた。湯川千秋は彼に社交の機会を増やし、多くの人と知り合って、良い縁に恵まれることを願っていた。

そのため、彼が婚約パーティーに参加すると聞いた湯川千秋は、特別に服装を選んでコーディネートしてあげた。

「母さん...少し派手すぎるよ」盛山庭川は苦笑いを浮かべた。

知らない人が見たら、まるで婚約パーティーの主役が自分であるかのようだ。

「派手かしら?」湯川千秋は服を見直し、飾りの翡翠の竹の葉のブローチを外した。「これならいいでしょう?」

盛山庭川は頷いた。

「せっかくのパーティーだし、婚約という喜ばしい場なのだから、硬い表情はやめて、もっと人と交流してみなさい。会社の商談にもつながるかもしれないわ」

商談?

盛山庭川は馬鹿ではない。盛世の主なターゲットは女性だ。商談を持ちかけるということは、暗に見合いを勧めているようなものだ。

「姉さん」今日も居合わせた湯川俊夫が言った。「子供の縁は子供に任せればいい。庭川には分別があるんだから、心配しなくても」

湯川千秋は弟を見つめた。その眼差しは言っているようだった:

よく言うわね?

私の義妹はどこ?

湯川俊夫は咳払いをして、「不動産屋と家を見に行く約束があるから、先に失礼する」

「叔父さん、家を買うの?」盛山文音が尋ねた。

「ずっと庭川の家に居候するのも良くない。彼が女性を連れて帰ってくるときに不便だろうしね」

盛山庭川:「...」

叔父さんまでもが自分をからかい始めるとは。

「どんな家を探しているの?」盛山大婆様が彼に向かって尋ねた。

「鳥を沢山飼っているから、できれば庭付きがいいんだ」

帝都で、庭付きで立地の良い家を見つけるのは簡単ではない。

「私の名義で四合院があるわ。そこに住んだらどう?鳥を飼うのにも適しているわ」