壁一面の巨大なスクリーンは、視覚的なインパクトが想像以上だった。
会場の人々は息を飲み、賀川野は目を疑った。
なんてこった。
こんなものを無料で見られるとは。
いや、これは共有しないと。
賀川野は手に持っていた携帯で、すぐに録画を始めた。
盛山文音はお茶を飲んでいたが、この光景に手が震え、ドレスにお茶をこぼしてしまった。シミができて、拭いても取れない。
「着替えますか?」盛山庭川が気づいて、小声で尋ねた。
「今はいいわ」
盛山文音は目の前の出来事に夢中で、服のことなど気にしている場合ではなかった。
「あれは金子若様と松本次女様ですよね?」会場は既に騒然となっていた。
「マジかよ、トイレで、そんなに欲求不満だったのか?」
「ホテルで見つかったのは偶然だって言ってたじゃないか?」