404 盛山若社長は権力を笠に着て、傲慢(3)

宴会場

婚約パーティーはもう終わりに近づき、この時残っているのは金子、松本両家の親族と親友たちだけだった。

母が隣にいたため、松本咲良は携帯を確認する機会がなかった。羽沢彩乃は彼女に早めに帰るよう促した。「婚約パーティーはもうすぐ終わるわ。私はお父さんを待つから、先に帰っていいわよ」

「急いでないわ」松本咲良はまだ面白い展開を待っていた。

羽沢彩乃は理解できなかった。ここに残っても意味がないのに。そこへ夫の松本和彦から電話がかかってきた。「咲良はどこだ?」

「私の横にいるわ」

「すぐに宴会場に連れてきてくれ。盛山若社長が来て、彼女に会いたいと言っている」

「どうして?」

「知るわけないだろう。とにかく咲良に会いたいと指名されたんだ。連れてくればいい」松本和彦は急かした。