414 同志関係、彼女はお見合いすることになった(2話)

翌日

松本雨音は携帯の着信音で目を覚ました。毎日花屋に定時に行くのだが、ぼんやりと目を開けた時、ホテルで寝ていることに気づいて驚いた。

二日酔い飴を食べたせいか、頭痛はそれほどひどくなく、昨夜のことは、かすかに記憶に残っていた。

しまった……

なんで盛山庭川の前でこんなに酒を飲んでしまったの!

彼女は携帯を手に取り、時間を確認しようとしたが、深夜2時過ぎに送金した銀行からの通知を見つけた。

この金額は……

なんと10万円!

これだけの花を売らないといけないのに。

WeChatを開いてみると、盛山庭川に送金していたことが分かり、昨夜の出来事が走馬灯のように頭の中を駆け巡った。

どうしよう?

このお金、返してもらえるのかな?

彼女は床のスリッパを見下ろした。ホテルの使い捨てスリッパが、なんと10万円もかかってしまった。

洗面を済ませて寝室を出ると、盛山庭川がまだいて、彼女を一瞥して「朝食を頼んであるから、一緒に食べない?」と言った。

山下助手も到着していて、元々盛山庭川の側で仕事の話をしていた。

松本雨音を見ると、脇に下がった。

松本雨音は頷いた。

彼女は盛山庭川の向かいに座り、コーヒーを一口飲みながら、視線の端で向かいの人を観察していた。

彼はウールのセーターを着ていて、くつろいだ様子で気ままな感じがした。仕草にも少し無頓着な雰囲気があり、髪も普段のようにきちんと整えられておらず、前髪が垂れて眉や目を少し隠していた。

全体的に一気に若く見えた。

自分が無理やりあのお金を受け取らせたのに、どうやって返してもらうように切り出せばいいのだろう?

この10万円は盛山庭川にとっては大したことない額だ。

でも彼女は大学に入ってから、ほとんど松本家のお金を使っていない。この10万円は簡単に得られたものではないのだ。

「昨夜のことは、本当に申し訳ありません。私、飲みすぎて、ご迷惑をおかけしました」松本雨音が先に口を開いた。

「昨日は君がおごると言っていたよね」

「はい」

「私が支払ったけど」盛山庭川は朝食を食べながら、さりげなく言った。

「……」

松本雨音は唇を噛んだ。

本当に終わった。

夕食代、ホテル代、自分が迷惑をかけたのに、もう10万円のことは言い出せない。

一回の食事で10万円!