415 全身で一番強情なのは口、いわゆる忘年の交わり

山下助手は話し終えると、自分の上司が何の反応も示さないのを見て、ため息をついた後、感慨深げに語り始めた。

「松本さんは本当に可哀想です。両親が離婚した後、母親と祖母と一緒に暮らしていたそうですが、数年前に母親がガンで亡くなり、多額の治療費がかかったとか。」

「今は祖母の体調も良くないため、松本和彦に弱みを握られているんです。」

「他にも理由があるかもしれませんが、今のところ分かりません。」

「まあ、私たちには関係のない他人事ですしね。」

「誰にも因果があるものです。部外者の私たちが干渉すべきではありません。」

彼は話しながら、上司の表情を窺い、近寄って笑いながら言った。「そうですよね、盛山若社長!」

盛山庭川は設計図を描きながら、「求人情報を出してくれ。」

「当社は人手不足なんですか?」