金子奥様はその話を聞いて、疑わしげに松本雨音を見つめた。
今夜の一件は大きすぎる。
必ず真相を究明しなければならない。
このような動画で脅迫するなんて、松本咲良は自分の全てを賭けたようなもの、犠牲が大きすぎる。
この件は、何か変だ。
十数分後、誰かがVIPルームのドアをノックした。来たのはドレスショップの店長で、松本咲良は内心得意げだったが、松本雨音の心は密かに締め付けられた。
「監視カメラの映像は持ってきましたか?」金子隼人は焦りながら尋ねた。
「はい、持ってきました」
店長はそう言って、USBメモリを金子隼人に渡した。
彼はすぐにパソコンを用意させ、松本雨音がドレスを試着した映像だけをコピーしたので、探すのは非常に簡単だった。
松本咲良は内心得意げに、松本雨音に近づいて、小声で言った。「お姉さん...」