407 盛山若社長の可愛い妹?賀川さんの義兄さん呼び

「妊娠?」

一言で、盛山文音はその場に立ち尽くし、いつも冷静沈着な賀川礼でさえ、しばらく呆然としていた。

彼が長年努力してきたことが、ついに叶った。

一瞬、どう反応すればいいのか分からなかった。

思わず盛山文音の腹部に視線を落とし、無意識に口角が緩み、普段の厳しい瞳から冷たさが消え、春の水面のように柔らかな温もりに満ちていた。

「先生、本当ですか?」避妊していないということは妊活していたようなものだが、突然のニュースに少し目が回りそうだった。

「検査結果に間違いはありません。今日検査に来てくださって良かったです。レントゲンやCTを撮らずに済みました。」医師も思い返すと、ヒヤッとした。盛山文音が来た時、賀川礼は全身検査を指示していたのだから。

賀川さんが検査を拒否してくれなければ……