493 禁欲者の堕落、危険な快楽(2更)

秋月策人が戻ってきたとき、栄田家の若旦那は急用があると言って既に帰っており、宴会は自然と終わりを迎えた。別れ際に、盛山文音は松本雨音を家に招待した。

「母が前から家で食事をしたいと言っていたんだけど、いつ時間ある?」

「いつでも大丈夫よ」

「じゃあ、明日のお昼は?」

湯川千秋は前から松本雨音と会いたがっていたが、最近は忙しくて時間が取れなかった。

松本雨音が車に乗り込んでから、盛山庭川に尋ねた。「さっき栄田家の方がトイレから戻ってきた時、様子がおかしかったけど、融資の件は大丈夫なの?」

「彼らの融資は錦上花を添えるようなものだ。なくても盛世には大きな影響はない。町田克純が融資を急いでいるのは、本当に資金が必要だからだ」宝石ビジネスには多額の資金が必要だった。

松本雨音は頷いた。「そういえば、食事の時、あなたと菅野お嬢さんが目配せしていたけど、何か密かに企んでいるの?」