495 補いすぎて鼻血、意外な情報を知る(2更)

一度の雨雲が過ぎ去り、空はすでに暗くなっていた。

「薬を盛られたの?」松本雨音は眉をひそめた。

「もし誰かが私に薬を盛る機会があったとすれば、それは私の秘書しかいない」盛山庭川は率直に言った。

「でも、さっきはどうして……」

「たぶん鶏スープの問題だ」

松本雨音はキッチンに入って確認した。母が病気で亡くなったため、彼女は漢方薬についてある程度の知識があった。この盛山文音が送ってきた人参は、最高級の滋養強壮剤だった。

特にこの人参は非常に大きく、数枚切ってスープを煮るだけで十分なのに、盛山庭川は根っこごと全部入れてしまった。

彼女は気血が不足していたが、それを食べただけで体が熱くなるのを感じた。まして盛山庭川なら尚更だ。

血気盛んな年頃で、それは焚き火にガソリンを注ぐようなものだった。