第41章 舐め犬と恋愛バカ

藤原千華は時枝秋をしばらく見つめていたが、藤原修と時枝秋はお互いを見つめ合ったまま、彼女のことなど全く気にも留めず、むしろ彼女に犬のエサをあげるような態度を取った。

藤原千華は怒って言った:「帰るわ!」

園田一帆が彼女を見送りに走り出た。

「園田秘書、私の今日の病室の入り方が悪かったのかしら?あれは本当に時枝秋なの?」

園田一帆は時枝秋の最近の様子を説明し、藤原千華は深い思考に陥った。

……

一方、ゴールデンエンタメは木村雨音に非常に興味を持ち、何度も接触を試みていた。

ただし、契約の件はまだ決まっていなかった。

時枝秋は自分が契約したいという名目で、再び岡元経理に連絡を取った。

岡元経理は興味なさそうだった。

時枝秋は電話で自分をアピールする際、何度も木村雨音の作曲能力と並外れた演技の才能について言及した。

岡元経理は案の定興味を示し、特別に木村雨音の作った曲を集めて聴いてみたところ、その才能に驚嘆した!

彼は芸能人と契約する際、会社の充実だけでなく、自分のハーレムのためでもあった。

しかし、このような才能あふれる新人と契約できれば、会社と自分にもたらす利益は計り知れないものになるだろう!

今回こそ、岡元経理は何としても木村雨音を獲得すると決意した!

……

時枝秋が再び『國民シンガーソングライター』の番組現場に戻ると、木村雨音は珍しく休暇を取って遅れて来ていた。

時枝秋は彼女が岡元経理の誘いを断らなかったことを悟った。

今日の番組はライブパフォーマンスで、デュエットだった。

前回の組み分けの状況は、すでに番組の放送を通じて公開されていた。

会場で最も声援が高かったのは文岩薫里、木村雨音、そして重岡亜紀などだった。

文岩薫里は小林凌とペアを組んでいたため、勝算は非常に高く、特に彼女は番組全体で常に一位を維持していたため、今回このようなチャンスを得て、さらに期待されていた。

木村雨音については、常に二位か三位を行き来し、作曲能力が非常に高く、これまでも優勝の有力候補だった。

ただし、部外者は知らないが、彼女の作曲能力はすべて時枝秋から盗用したものだった。

最も期待されていないのが、時枝秋と堀口楓のコンビだった。