第60章 顔値こそ正義

「だめよ、だめ!」

「離れちゃいけない!」

彼女が取り留めのない考えに浸っているとき、司会者の声が耳に入ってきた。「ただいま、雨粒ちゃんと石ちゃんは素晴らしい実力を見せてくれました。皆さんの手の中に、彼女たちのステージでの運命があります。さあ、指を動かして、残したい方を選んでください!準備はいいですか?5秒数えますので、その後で投票してください!5、4...」

木村雨音は突然我に返った。時枝秋の歌は終わっていたのか?

彼女の出来栄えはどうだったのか?

音程は外れていなかったか?予想外の結果はなかったか?

自分との比較ではどうだったのか?

頭の中が真っ白になりながら、時枝秋の方へ歩み寄り、彼女の隣に立った。

投票チャンネルがまもなく開かれる。

自分が残れるかどうかはこの一瞬にかかっている。