第61章 気骨があると認めよう

時枝秋は頭を下げたまま考え込んでいた。

堀口楓は心配のあまり泣きそうになっていたが、彼女が黙っているのを見て、近寄って邪魔するのも怖かった。

紺野広幸は怒りを爆発させていた。「今日は一体どうなってるんだ?なぜすべての問題が時枝秋に降りかかるんだ?」

演出チームは時枝秋のことはあまり気にしていなかったが、紺野広幸の気持ちは非常に気にかけており、人を手配して彼を慰めていた。

「ごめんね時枝秋、私のハイヒールが滑りやすくて」木村雨音は慎重に謝罪していた。

しかし、目の奥に潜む得意げな表情は隠しきれていなかった。

時枝秋は彼女を一瞥し、笑いながら言った。「そう?じゃあ、これからは気をつけてね」

「それで時枝秋、誰に挑戦するか決めた?」木村雨音が尋ねた。

傍らにいた22位から15位までの出場者たちは、一瞬で震え上がった。