時枝秋が自分のことを覚えていたと聞いて、葉山彩未は嬉しそうだった。「私たち二人で組みましょう?」
紺野広幸はこちらの状況を見て、葉山彩未を選べたのは時枝秋にとって運が良かったと思った。アイドル歌手を選ぶよりはましだ。
しかし、葉山彩未の体調を考えると、時枝秋の足を引っ張ることになりそうだ。
彼は少し心配だった。
時枝秋は笑顔で手を差し出した。「葉山先生、よろしくお願いします」
彼女は今回のライブのために作った曲を葉山彩未に渡した。
葉山彩未は長年復帰していなかったが、その実力は健在で、一目見ただけで思わず息を呑んだ。「あなたが作ったの?」
「はい、私が作りました」
「そういう意味じゃないの」葉山彩未は慌てて言った。「ただ、すごく衝撃的で」
「ありがとうございます」