第81章 石ちゃん 一人で美しく

彼女と同じ空間で静かに過ごすことに、彼は満足を感じていた。

木村裕貴からメッセージが届いた：「ツイッターを見て。」

時枝秋はすぐにクリックし、トレンド1位は#石ちゃん一人で美しい#だった。

クリックして見てみると、今日のオークション会場で起きた出来事だった。

実は、今日の出来事は横澤蕾の制御を完全に超えてしまい、彼女は非常に怒り、現場の記者たちに金を渡して小林凌が来場したことを一切報道させないようにした。

当然、記者たちはお金を受け取り、余計なことは言わなかった。

しかし、夕方になると、現場の動画が流出した。

記者が時枝秋に高額で落札したヤオランを最愛の男性に贈りたいと言わせようと誘導している場面だった。

そしてちょうどその時、小林凌が現場に到着し、彼の様子を見ると、時枝秋に対して哀れみと優しさを込めた目で見つめ、フラれる寸前といった様子だった。

しかし、フラれる前に、時枝秋が彼の目の前で「パチン」という音と共にヤオランを切り落としてしまった。

それだけでなく、彼女は傲慢に宣言した：「私の花は、私が言ったように、好きな男性に直接手渡すつもりよ。ごめんなさいね、その人は、あなたじゃないの！」

動画の下で、小林凌のファンと石ちゃんのファンが大混戦になった。

小林凌のファンは当然、石ちゃんを罵倒した：「ブス、消えろ！」

「話題作り！トップスターにしがみつく行為はいつまで続くの？」

「彼女に好かれる人って、前世で何か悪いことしたのかしら！」

「お兄さんを守れ！」

一方、石ちゃんのファンは、溜飲が下がった様子：「何度言えばわかるの？石ちゃんはもう小林凌のことなんか好きじゃないって！」

「パチンと切った瞬間、最高！あれが誰かさんのアレだったらよかったのに！」

「へへへ、私たちの石ちゃんは一人で十分美しいの！他の人は近づかないで！」

時枝秋にそれがなかったから良かったものの、あれば間違いなく身震いしていただろう。

彼女は木村裕貴に尋ねた：「木村さん、あなたが投稿したの？」

「もちろん俺だよ。お前のマネージャー以外に誰がお前を助けるんだ？まあ、傅さんの顔を立てての話だけどな」木村裕貴は特に傲慢に返事をした。

彼はある記者から話を聞いた後、少しの金でこの動画を買い取った。