試合は万衆の期待の中で始まった。
前回のトーナメント戦の話題性と、石ちゃんと蘭を切る動画の拡散により、『國民シンガーソングライター』は現在最も人気のオーディション番組となっていた。
視聴率は上昇を続け、週末の主要テレビ局のゴールデンタイム番組をも上回るほどだった。
「今回も、ネット投票で最も輝く出場者を選んでいただきます。応援したい方を、ぜひ残してください!」司会者の声とともに、番組が始まった。
時枝秋は後半の出場順に配置された。
一方、文岩薫里や重岡亜紀といった出場者たちは、番組のゴールデンタイム―中盤に配置された。
彼女たちとデュエットするサポートゲストは、現在非常に人気があり、多くのファンを持つアーティストで、最も注目を集められる存在だった。
サポートゲストたちもネット上で自身のファンに呼びかけ、共演する出場者への投票を促していた。