「おじいさんの態度が気に入らないのよ。時枝秋があんな様子なのに、まだ庇うなんて。時枝秋はバカじゃないの?あなたは市の文系トップで、680点以上取ったのよ。少し指導してあげれば、彼女も大いに benefit を受けられて、大学に入るのも問題ないはずなのに。私たちの好意を無駄にしてしまうなんて!」
「たぶん、私のことを見下しているんでしょうね」
「彼女にあなたを見下す資格なんてないわ。彼女が大学に入れないのが心配で、おじいさんがまた彼女のためにあれこれとお金を使うことになるのが嫌だから、私が関わってあげているだけよ」
時枝雪穂は時枝秋の態度を思い出し、これでいいと思った。
時枝秋が悪くなればなるほど、自分と比べられなくなる。
……
文岩薫里は学業を再開すると、すぐに高校三年生の受験勉強に入った。