第181章 全て試験が終わった

「おじいさんの態度が気に入らないのよ。時枝秋があんな様子なのに、まだ庇うなんて。時枝秋はバカじゃないの?あなたは市の文系トップで、680点以上取ったのよ。少し指導してあげれば、彼女も大いに benefit を受けられて、大学に入るのも問題ないはずなのに。私たちの好意を無駄にしてしまうなんて!」

「たぶん、私のことを見下しているんでしょうね」

「彼女にあなたを見下す資格なんてないわ。彼女が大学に入れないのが心配で、おじいさんがまた彼女のためにあれこれとお金を使うことになるのが嫌だから、私が関わってあげているだけよ」

時枝雪穂は時枝秋の態度を思い出し、これでいいと思った。

時枝秋が悪くなればなるほど、自分と比べられなくなる。

……

文岩薫里は学業を再開すると、すぐに高校三年生の受験勉強に入った。

一方、時枝秋は学業を再開したものの、教師との対立を引き起こしてしまった。

これらの噂は、一度広まると止められないほど騒ぎになった。

時枝秋が試験を通じて高校三年生に進級しようとしていることも、大きな話題となっていた。

文岩薫里が通う第一中学と時枝秋が通う第二中学校は、長年のライバル校で、互いに競い合い、毎年一位二位を分け合う関係で、競争は非常に激しかった。

そのため、両校の生徒も裏で競い合っていた。

去年は第二中学校がトップレベルの大学への合格者数で第一中学を上回り、第一中学の生徒たちは第二中学校を打ち負かそうと意気込んでいた。

今こんな良い機会を見つけて、嘲笑わないわけにはいかなかった。

「第一中学からは文岩薫里のような優等生が出て、あらゆる面で優れているのに、第二中学校から出てくるのはこんな人たちか。やっぱり第二中学校って呼ばれるわけだ!」

「何度も零点を取る人が、いきなり高校三年生に進級して、大学入試に参加しようとするの?これって明らかな裏口入学じゃない?もしかして大学まで内定してるんじゃない?」

「大学入試の準備すら公平にできないなんて、第二中学校の校長は何をしているの?」

「絶対に手加減してるよ。ここで言っておくけど、時枝秋が無事に高校三年生に進級して今年の大学入試に参加したら、第二中学校の権力乱用を告発するからね!」