堀口碧は彼女が疲れすぎているのを見て、誰にも邪魔させないようにし、ゆっくりと休ませることにした。
藤原修は午後に来た。
堀口碧は彼が時枝秋を探しに来たのを見て、この二日間の状況を全て彼に伝えた。
「では、彼女を休ませましょう」藤原修は最初急用があるように見えたが、今はむしろ落ち着いていた。
「何か用事がありますか?」堀口碧は尋ねた。
「いいえ」
堀口碧は彼が冷淡で近寄りがたい性格だと知っていたので、気にせず一言告げて、自分は尾張靖浩の看病に行った。
時枝秋は十分眠った頃、藤原修が来ているのを感じ取り、起き上がって休憩室を出ると、案の定藤原修がいた。
「あなた!」時枝秋の気持ちは途端に明るくなった。
藤原修の表情も明らかに柔らかくなった。
「どうしてここに?」
「今日は第二中学校の高校三年生の模試だよ」