第250章 カンニング事件

今の彼女の成績を、家族にどう説明すればいいのか?食事を奢ってと言ってきたクラスメートたちにどう向き合えばいいのか?

翌朝、時枝秋はもう学校を避けることはできなかった。

彼女が校門に着くと、季山梨香が彼女を守るように近づいてきた。「六田学長があなたを探しているわ。正直に言って、怒りで定戸市大学に行かないことにしたの?本当に行かないなら、私が守ってあげるわ」

「行かないことに決めました。私にはこの二つの大学は合わないと思います」と時枝秋は答えた。

季山梨香は頷いた。「分かったわ。それなら私が説明しておくわ。やるわね、時枝秋。私の目に狂いはなかったわ」

季山梨香は彼女の肩に手を回し、時枝秋は笑って「季山先生、よろしくお願いします」と言った。

時枝秋が教室に着くと、岡元博信と葉山暁子が彼女に向かって意味ありげに笑いかけ、二人は手を差し出して「早く、握手しよう。私たち大学の同級生になるんだから」と言った。