第272章 また便乗

時枝秋は周りを見渡すと、隣のテーブルでは珍しく暇を見つけた高校三年生たちが、串を食べながら将来について語り合っていた。屋台の煙で目が赤くなっている者も少なくなかった。

これからの人生は、それぞれが異なる道を歩むことになる。将来出会う人々や出来事も全く違ったものになるだろう。今の友情を保てるかどうかは、誰にも分からないことだった。

無理もない。この数日間、学校全体がそんな感情に包まれていた。

文岩薫里も、もちろんその雰囲気を感じ取っていた。

彼女には多くの友人がいて、別れを惜しむ人も大勢いた。

今回、彼女はこんな素晴らしいチャンスを見過ごすわけにはいかないと分かっていた。

すぐさま、文岩薫里は自分が作った曲を録音し、公開した。

曲名は『前途洋々』。

歌詞には、彼女の美しい願いが込められていた: