第348章 彼は本当のことを言うのが好きなだけ

これは潜在意識の心理的な問題で、彼女は実際にとてもよく抑制していて、普通の人には全く気付かれない。

園田保夫がまず気付いた。

彼女はしばらく考えてから言った。「わかりました。時間があれば、また会う場所を確認させていただきます。」

……

時枝秋がセガエンターテインメントに行った時、正面でほとんど女性とぶつかりそうになった。

その女性のアシスタントは怒りかけたが、時枝秋だと分かると、言葉を飲み込んだ。

時枝秋が横によけると、その艶のある女優が車に乗り込み、アシスタントは彼女の後ろで小声で言った。「木村さんって本当に...後で後悔することになるんじゃないかしら...」

時枝秋は木村裕貴のオフィスに着くと、彼はアシスタントに指示した。「お湯を一杯持ってきて、クコの実と菊の花、それに氷砂糖も入れて。」

時枝秋は慣れていたので、彼に任せて、藤原千華からの園田保夫についてのLINEに返信した。

彼女はさらに藤原おばあさんの様子も尋ねた。

「おばあさまの調子はここ数日良くなってきているわ。漢方医も本当に効果があるのね。瀬尾先生が薬を処方してくれてから、よく眠れるようになって、日中の体調も良くなって、めまいもなくなったの。」

「それは良かったです。」時枝秋は返信した。

「あなたと修が来て夕食を一緒に食べたことも関係あるわ。おばあさまはあなたたちのことをとても楽しみにしているのよ。」

時枝秋は笑って:「じゃあ、これからもっと帰ってきますね。」

彼女が携帯を置くと、アシスタントの入れたお茶が既に用意されていた。

真夏とはいえ、セガエンターテインメントの中央空調は十分に効いていたので、時枝秋は木村裕貴の好意を断らず、温かいお茶を両手で受け取った。

彼女は何気なく尋ねた。「さっき誰か来ていましたか?」

隣のアシスタントは我慢できずに言った。「黄瀬桂子のことですか?彼女がどうして厚かましく木村さんを訪ねてくるのか分かりません。契約の要求を無視して、金持ちの年上の男性に取り入ろうとしたのは彼女なのに、木村さんが少し忠告しただけで怒って、セガエンターテインメントと契約解除して、お互いに損をする結果になりました。実は彼女自身が早くから口実を作って辞めたかったのに、全てを木村さんのせいにしたんです。」