時枝秋は何かの実験用の薬物だろうと推測した。なかなか手に入らない種類のものだ。
そうでなければ、龍崎雄がわざわざ買って堀口景介に渡すはずがない。
おそらく会社とプロジェクトが利益を上げ、堀口景介が龍崎雄からの送金を受け取らなかったため、龍崎雄は彼の必要なものを買うことにしたのだろう。
堀口景介は時枝秋を実験室に連れて行き、最近の実験の成果について話し合い、さらに彼女が先ほど話した抽出についても議論した。
気づかないうちに午後の時間が過ぎていた。
「今夜、実験室で食事会があるんだけど、一緒に来ない?」
「いいわ」時枝秋はまだ物足りない気持ちで、すぐに承諾した。
その後、多くの人々が出てきた。先ほど時枝秋を迎えに来た若者や、白衣を着た医師たち、学生たちもいた。
「わあ、堀口先生、時枝秋は本当にあなたの妹さんなんですね?普段は冗談だと思っていて、お兄さんのファンだと思っていたのに、本当のお兄さんだったなんて!」